来月から給与改定があって2万円増額されるみたいなんです!毎月2万円も増えたら、何しようかなー、1万円でジムに入って、もう1万円は投資に回してみようかなー!うひっ!
おお!それは良かったですね!でも、かめ子の手元に丸々2万円増えるわけではないって分かっているかな?
あ、忘れてた……
給与の金額に増額改定があっても、残念ながら、その増額分がそのまま手元に増えるわけではありません。
- もうすぐ給与改定だけど、手元に残る金額はどれくらい増えるんだろう?
- 将来必要な資金から逆算して、給与がどれくらいあればいいのか考えたいな……
- 会社の計算も合っているか不安だし、自分で計算方法を知っておきたいな……
などと考えたことはないでしょうか。
この記事にさっと目を通すことで、下記がわかるようになり、その悩みの解消に役立つかもしれません!
- 給与増加に対してどれくらい手元に残るかがわかる!
- 自分の目標手取り額から逆算して目標報酬額が導けるようになる!(給与交渉の参考になる)
- それぞれの控除項目の変更時期とその影響度合いがわかる!
(この記事を読むのにかかる時間はおよそ7分ほどです)
手取りの金額とは
上段からイメージは既についていると思いますが、「報酬金額の合計」から「社会保険料」や「所得税」などを控除された後の金額が手取り金額となります。
給与明細だと「差引支給額」と記載されていることがほとんですが、自分の口座に会社から振り込まれるものという理解でOKです。
報酬の範囲
「あなたの年収はいくらかですか?」と聞かれたら、報酬金額の合計額(年間)を答えることが正解です!
年収は、手取り金額の合計ではありません。控除される前のMAXの報酬額を伝えてしまいましょう!
報酬と言っても、いろいろな名称に分かれており、下記のような手当てなどについても報酬の中に含まれることとなります。
- 基本給
- 賞与(ボーナス)
- 時間外手当
- 住宅手当・家賃補助
- 資格手当
- 役職手当
- 家族・扶養手当
- テレワーク・在宅手当 などなど
このような名称は法律で決まっているわけではなく、会社が任意に設定をしており、会社で定めた内容は就業規則に記すこととされています。
この報酬金額に対して、社会保険料や所得税の計算をかけることになるので忘れないでおきましょう!
控除されるものの項目
下記のような項目がそれぞれの目的に応じて、給与所得者から徴収がされることになります。
健康保険料 | 国民全員が安心して医療を受けれるようにするため |
---|---|
介護保険料 | 介護サービスを安価で受けれるようにするため |
厚生年金保険料 | 老後の生活資金を社会全体で支え合うため |
雇用保険料 | 労働者の生活及び雇用の安定を図るため |
所得税 | 収入に応じた税を公平に負担させるため |
住民税 | 充実した行政サービスを受けるため |
それぞれの詳しい趣旨や計算方法、受けることのできるサービスについては過去の記事でまとめておりますので、興味のあるものを見ていただければと思います。
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報酬増加に伴う影響
報酬が上がるということは、先ほどの控除される項目たちの金額も上がることになります。
控除項目は大きな分ける2種類で、「社会保険料」と「所得税等」です。
それぞれの金額変更についてイメージを見ておきましょう!
社会保険料の変更
健保・年金は後から等級が上がる
社会保険のうち、「健康保険料」および「厚生年金保険料」は、毎年7月に手続きを行い9月分の給与額から変更となることがほとんどです。(定時決定、算定基礎届)
そのため、4月に給与の増額があれば、9月分の給与から保険料も増加しますし、7月以降に増額があれば、来年の9月から保険料が増加するというイメージになります。
ただし、急激な増加減少があった際には、3ヶ月様子を見たのち、その翌月から保険料を改定してしまう「随時改定」というものもあります。
雇用保険はすぐに上がる
「雇用保険料」については、総報酬金額に対して一定の保険料率を掛けて計算をすることになるため、給与が増額した月からすぐに控除される保険料も増加します。
変な話、残業代が多い月はそれに連動して、雇用保険料も増加しています。
所得税・住民税の変更
所得税
「所得税」については、総報酬金額から社会保険料を控除した後の金額に対して税率を掛けて計算をすることになります。
この「所得税」は、所得が多ければ多いほど、税率が上がるため、給与改定の月から控除額も大きくなります。
住民税
「住民税」は前年課税主義と言って、前年1年間の所得に対して、6月から翌年5月にかけて徴収をするという方式をとっています。
ですので、今年給与額が上がったとしても、すぐには変わらず、来年の6月からの徴収額に影響を与えることとなります。
実際2万円報酬が増額したら
実際に元々の給与から2万円増加した場合にどれほど手元に残るかを試算してみました。
- 扶養家族はなし
- 40歳以上(∴介護保険あり)
- 東京都で勤務
- 健康保険料、厚生年金保険料については改定後にて試算
- 住民税の増加は未考慮
それぞれの報酬帯における手取り増加額の比較
元々の総報酬金額 | 2万円報酬が増加した時の手取りの増加額 |
---|---|
25万円 | +16,532円 |
35万円 | +15,632円 |
45万円 | +14,178円 |
元々のお給料が高い人ほど、手取り額は少なくなってしまうんですね
かめ子の言う通りで、報酬が高いほど所得税率が上がっていく関係からそうなってしまうんだ
それぞれのパターンの場合の変動額の内訳については下記に記載をしておきますので、気になる方は参考にしてみてください。
元々の給料が25万円のひと
項目 | 元々の金額 | 増額後の金額 |
---|---|---|
総報酬金額 | ¥250,000 | ¥270,000 |
健康保険料 | ¥12,974 | ¥13,972 |
介護保険料 | ¥2,080 | ¥2,240 |
厚生年金保険料 | ¥23,790 | ¥25,620 |
雇用保険料 | ¥1,500 | ¥1,620 |
源泉所得税 | ¥5,200 | ¥5,560 |
手取り金額 | ¥204,456 | ¥220,988 |
元々の給料が35万円のひと
項目 | 元々の金額 | 増額後の金額 |
---|---|---|
総報酬金額 | ¥350,000 | ¥370,000 |
健康保険料 | ¥17,964 | ¥18,962 |
介護保険料 | ¥2,880 | ¥3,040 |
厚生年金保険料 | ¥32,940 | ¥34,770 |
雇用保険料 | ¥2,100 | ¥2,220 |
源泉所得税 | ¥8,140 | ¥9,400 |
手取り金額 | ¥285,976 | ¥301,608 |
元々の給料が45万円のひと
項目 | 元々の金額 | 増額後の金額 |
---|---|---|
総報酬金額 | ¥450,000 | ¥470,000 |
健康保険料 | ¥21,956 | ¥23,453 |
介護保険料 | ¥3,520 | ¥3,760 |
厚生年金保険料 | ¥40,260 | ¥43,005 |
雇用保険料 | ¥2,700 | ¥2,820 |
源泉所得税 | ¥15,040 | ¥16,260 |
手取り金額 | ¥366,524 | ¥380,702 |
まとめ
いかがでしたか?
昇給したときの手取り金額の増加のイメージはつきましたか?
また、給与総額がこれくらいだったら、手取り額がこれくらいになるという予想もできるようになっているのではないでしょうか?
この記事によって、自分か将来の生活で必要な資金から逆算して、年収がどれほど必要なのか、どんな働き方をしたらいいのかを考えるきっかけになれば幸いです。
少しでも皆様の生活がより良いものになることを願っております【長閑なくらしFP事務所】
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